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METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOT
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ストーリー 『PCM』と呼ばれる、ID管理によって高度に統制された傭兵の登場により、
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3=1=2 さて・・・・これが何かは・・・ええ。もちろん今までのシリーズの評価総括です。 4作含めた。ね。 まあまず話を聞いてくださいよ。いろいろおかしいけどさ。 ↓以下は細かい不満点です。下にまとめがありますのでそちらを読んだほうがいいかも。↓ まずゲームシステム。 ・シューティングとしてもメタルギアとしても中途半端極まりない。 『コントローラー』で操作することにいよいよ限界を感じる作りです。 戦闘フィールドの膨大化に伴い、処理しなければいけない情報量が非常に多いにもかかわらず、カメラ転回速度が遅すぎます。 カメラが遅いならもう少し自動ロックオンの精度を上げてもいいはずです。 さらに言うと今までのシリーズだって無論カメラはそれほど早くは無かったのですが、 それに比例するようにボスを狙うチャンスも多かったんですよ。 それに、自動照準がチャンスともなればハッキリ効くので攻撃と防御のメリハリがきっちりついていたんですね。 それが4では妙にフラフラ常に動いているから、 しっかり狙撃するのではなくマシンガンかショットガンの弾数にまかせた大雑把な戦法を取らざるを得ないんですよ。 ヘタとかヘタじゃないとかじゃないんだよ。実際3、2は初見だって確実にチャンスを狙えたしね。 ・・・・で、MGSはステルスゲーなのでステルスの話をしたほうがいいですね。 これは問題無しですよ。というかオクトカムの表現はガチで見事です。こういうところがPS3だと思わせてくれます。 が。後述しますが悠長にステルスできるほどテンション維持が出来ないというのがね・・・。 フラストレーション溜まりまくりなので思わずぶっ放したくなります。 さも『さぁガチンコしろ!』って武器ばっかりだし。 次に、シナリオ。 『実はコピーでした実は嘘でした実はクローンでした実はありましたorありませんでした実はナノマシンの力で(ry』 文法として『実は』がつく展開が多すぎます。 それやられすぎちゃうとねぇ。キャラ的にもシナリオ的にもウソは言ってないのに ウソつきだらけの世界にみえちゃうんですよねぇ。 そういう事は物語の根幹でバシッとやるから素敵なんじゃねぇかなぁ。 いやまぁシナリオ的に4は完結編なので、前3作と比べて嘘や真相発覚が多いのは当たり前なのですが。 にしたって難しい、いや難しいというより無駄に専門用語を並べてるだけの『小難しい』印象を受けます。 2もそうだったのですが、『話の流れはわかるけど妙に耳慣れない単語ばかりだから感情移入しにくい』と言いますか。 細かい原理の説明は無線か何かにまかせて、 『それはどんなものでどんな効果でどんな危険なものか』をもっと強調して欲しかったです。 ・・・・・で一番の問題が、 そんな薄っぺらい真相発覚と微妙なストレスが付きまとう戦闘が8:2ぐらいの割合でゲームが出来ているという点。 ええ。私ここまで『ムービーゲー』な『ムービー垂れ流し』ゲー初めて見ましたよ。 近年のFFなんてまるでメじゃないです。とことん『ムービーゲー』です。 無論ですが悪い意味で。です。およそ考えうる最悪の『ムービーゲー』です。 今までのシリーズだって確かにムービーが超長いという側面はありましたが、 チョコチョコ長いのを挟んだりはしませんでした。 しかし、過去3作はお腹いっぱいになるほどガッツリアクションパートを食べたら、 さてムービーパートでございます。ゆっくりしていってね!という程度の配分でした。 そして、ムービーでしか描けないものはムービーで。 『プレイ』がなければ伝わらないものはちゃんとプレイで。 その『住み分け』が素晴らしいとも言えました。 つまりゲームをプレイする上でのテンション維持も容易だったのです。 それが今回はどうだよコレ。ムービームービーまたムービー。 ちょろっとシューティングをやったらさぁムービー。ながーいながーいムービー。 超長いムービーの後、特に悩まないボス倒してさあ長いムービー。 そして章が終わってさあ飛ばせないブリーフィングで激長いムービー。 それ無線で言えばいいんじゃねぇの?という話もムービー。 そこ実際に動かしてプレイさせろよ!という箇所もムービー。 話がズレますが、メタルギアソリッド3は本当に素晴らしいゲームでした。 特に、『ゲームデザイン』の完成形とも言えるラストバトルは、 もはやどんな映画ですら勝つことの出来ない美しさを秘めていたと思います。 花の舞い散る平原で。 殺害対象である最愛の師、『ザ・ボス』と。 爆撃までのこり10分という状況で。 名曲である『Snake Eater』が残り戦闘時間、つまりザ・ボスと共にいられる時間、を示すように響く中。 メタルギアソリッド3におけるシステム全て=師であるザ・ボスから教わった全て を用いて。 最後の死闘を繰り広げる。 『ムービー』で震え、目頭が熱くなった事はそれなりにあります。他のゲームでも。 しかし、ここまで、『美しく、震え、泣けるゲームプレイ』があったであろうかと。 長かったムービーも、ストーリーも、システムもBGMも何もかもがこの一戦に集約されていました。 ゲームというメディアは、映像の進化、表現の進化によって次々と『映画』に近づいていると言われて来ました。 しかし、私はこの『メタルギアソリッド3』のラストバトルこそが、 映画を超え、ゲームでしか成しえることの出来ない感動を秘めた1シークエンスだと思っています。 どんなに映像が進化しようとも、ストーリーが深くなろうとも、 『ムービー』だけでは映画を超えることなどできるはずが無いのですから。 わざわざムービーにしなくても、はっきりゲームと映画的センスを融合できるのはメタルギア、 いや小島監督以外に無いと思っていました。 ↓以下まとめ 面倒ならここから読もう!↓ 確かに映像美は凄まじいです。 飛び交う弾丸、高射砲の炸裂音、怒号、悲鳴。まさにムービー中を歩いているような感覚は本当に凄い。 システム自体もよりシューティング寄りとなり、今までの主観視点をさらに進化させています。 小島節溢れる小ネタも面白い。過去作やってきた人間は思わずニヤリとするようなネタ満載ですよ。わかります。 だけれども、何もかもがが『チグハグ』なんです。 戦場の迫力はACT1でほぼ打ち止めだし、 ACT分けしてしまった事で潜入の醍醐味は薄れまくりだし、 武器は煩雑すぎるほどの量だし、 隠れる必然性がシステム的にもシナリオ的にも皆無だし、 小ネタは余りにも場面や感情移入に対してチグハグで、『KY』としか言いようが無い場面で出てくるし、 どうでもいい場面までムービーだし、 会話がとことん『説明的』か『抽象的』で長すぎるし、 常に物語のハイライトシーンであった巨大ボスとのガチンコ勝負もないし、 そもそもシナリオだってキャラの豹変が酷すぎるきらいがあるし、 そもそもスネークに残された時間は老化以外に説明があるからなぜ老化させたのかそもそも意味不明になるし、 どうでもいいシナリオ上の用語説明はあるのに肝心な所があやふや過ぎるし(ウイルスの変異とかラストのあの人の出現とか) つまり『メタルギア』をプレイしているのに『違和感』をひしひしと感じてしまうのです。 ・最後に。 メタルギアの素晴らしさは映像美でも深いストーリーでも膨大な設定でもBGMでもキャラクターでもなく、 『それら全てを統合し、ゲーム以外の何者でもないものにする』ゲームデザインの美しさだと思っていました。 ただムービーが見せたいなら映画でも撮ればよかった。 ただこういうタイプの3人称シューティングがやりたければ別のゲームにすればよかった。 ただ深く、広大なストーリーを見せたいならテキストノベルにでもすればよかった。 今までのメタルギアはもちろんどれでもありませんでした。 違和感などまるで感じさせない、代用の効かない、まさに『ゲーム』であり、まさに『メタルギア』でした。 俺はね。そんな『メタルギア』がやりたかったんですよ。 映画が見たいわけでもなく、シューティングがしたいわけでもなく、広大なストーリーを追いたいわけでもなく、 ただ、そういう『メタルギア』がしたかったんです。 海外レビューで、『MGS4はアートである』という文を見ましたが、 『アート』なんぞこれっぽっちも見たくないんです。『ゲーム』がしたいんです。 つまりその結果が3=1=2なのです。 MGS4は・・・・・メタルギアと認めたくない。 一つ一つの要素がいくら優れていようとも。ちぐはぐであってはそれは『メタルギア』ではないのです。 ・・・・しかし、だ。 最後にこれだけは言っておかなきゃいけないと思います。 小島監督。お疲れ様でした。メタルギアソリッドシリーズ、本当に面白く、俺に夢をみせてくれました。 MGS1を初めて見たときのような衝撃。 フォーマットの進化を感じさせてくれたMGS2。 映画とゲームの本当の融合を教え、本当の『ゲームの感動』を教えてくれたMGS3。 それに次ぐような新しい喜び、感動を与えてくれるゲームを作ってくれることを期待しています。 そうしたら俺は間違いなく言いますので。 『いいセンスだ!』って。 |