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デビルサマナー 葛葉ライドウ対超力兵団

機種 PlayStation2
発売元 ATLUS
発売日 2006/3/2
ジャンル RPG
価格 7140円[税込]
備考 プレイヤー人数:1人
アナログコントローラ専用
セーブデータ容量:91KB
15歳以上対象
会話がない
なんか違うけどデビルサマナーではある
プレイ時間 90時間くらい

◆ 紹介みたいな ◆

 時は大正二十年、帝都・・・。
 探偵業を営む鳴海と葛葉ライドウの下に、一人の少女が奇妙な依頼を持ち込む。
 しかし、少女は依頼の真意を告げぬまま、何者かによって誘拐されてしまう。
 事件を追うライドウたちの眼前に立ちはだかったものは・・・。

 (以上、パッケージより抜粋)

 

 大正時代というものは、非常に短い歴史なのでとんでもないエピソードを付け加えたとしてもごまかしが効くなんでもありの時代だ、という話を聞いたことがあります。


 今回の『デビルサマナー 葛葉ライドウ対超力兵団』の舞台は大正20年の帝都ですが、ここで問題。
 この文章で現実的におかしな点はどこでしょう?

 答えは大正20年。
 大正時代は1912年7月30日から1926年12月24日までの期間であり、大正15年までしかありません。
 なので、大正20年というのは現実的にはウソ。


 ちょっと考えれば分かることなんですが、大正時代という短い歴史だし如何せんゲームの話なのでわりと見落としがちです。

 かくいう私も、ゲーム終盤まで気がつきませんでした。
 まあ、近代の歴史はちと弱いってのもあるんですけどね。





 さて、そんな『葛葉ライドウ対超力兵団』ですが、舞台が舞台だけあって世界観が大正時代丸出しでかなり良い感じです。

 街並みはどこか明治時代だけど、人々の話題はなんとなく近代思考で、まさに大正時代。
 色調がなんとなく落ち着いているのも時代が移り変わろうとしているからだと思います。

 ちょうどこの頃はモガ(モダン・ガール)という言葉が流行っていた時代らしく、話の中でも幾度か聞くこともできます。
 
ある意味で、歴史の勉強にもなります。


 主人公は帝都の平和維持の為に派遣された十四代目葛葉ライドウですが、その素性を隠すため普段は探偵見習いという表の顔を持っています。
 『葛葉ライドウ対超力兵団』は基本的に“探偵”と“デビルサマナー”の職業柄を使って物語を進めていきます。

 例えば、情報収集は自分の足でします。
 まあこの辺りは大抵のRPGではお約束ですが、そこはアトラス。メガテンらしい情報収集ができます。

 今作は仲魔の特殊能力を使うことで、人間の潜在心理を掻き立てて情報を聞きだすことができます。
 別に心理戦に持ち込んで相手にボロを出させるような難しいことをするわけではありません。

 仲魔の「発火」といった特殊能力を使うことで、相手の心情を変化させて通常では聞き出せない情報を聞くことができるのです。
 ・・・まあ、結局のところは相手のボロを出させているということになりますが。

 他にも、仲魔に単独行動させて狭い通路をくぐらせたり、飛行能力がないと進めない場所に行かせたりして情報やアイテムなどを手に入れることもできます。


 この探偵ごっこがなかなか面白い。
 ふつうだったらものすごく単調な作業感になりがちですが、探偵という職業柄と付け加えるだけで同じ地区での情報収集が苦になりません。
 ストーリーを進めると、その人たちの話す内容も変わっていくことも救いの一つです。

 ただ、誰にどの特殊能力が効くのかが固定というのは少し不満ですかね。
 いくらなんでもそこまで人間の心情は単純じゃないだろうと思いますが、まあゲームですしねえ、仕方ないことですか。





 当然、戦闘もあります。
 今回は今までのようなコマンド形式の戦闘ではなく、アクションになってますが。

 攻撃方法は持っている刀で斬る、突く、回転斬りの3つと銃を撃つとわりと豊富。
 もちろん、仲魔に指示を与えたりして戦闘を有利に進めることも可能。

 今回は仲魔は一体しか召喚できませんが、こういうアクション形式の戦闘の場合は味方が多すぎると返って逆効果になってしまうので、一体くらいが丁度良いです。


 個人的には、このアクション戦闘がけっこう不満だったりします。

 まずは敵の配置。
 敵と出会うと、設定された敵グループがランダムで選出されるんですが、これがどの敵が何体かとか敵の配置が全く同じ。
 これはこれで戦略を練りやすいのですが、慣れてくると完全にだれてきます。
 もう少しランダム要素を加えても良かったんじゃないかと思います。

 あと、折角の3Dアクションにしているんだから、ジャンプくらいできてもいいんじゃないのかなあ、と。
 ジャンプができれば、このマンネリ気味の戦闘も多少は面白くなっていたと思います。
 悪魔の中には飛行系の悪魔も多数登場しますが、どれも地面に這っているように感じます。
 ジャンプができれば、それらの悪魔にも攻撃バリエーションを持たせられたんじゃないかと思います。


 まあ、上二つは個人的にはまだ許容範囲です。
 ただ一つ、悪魔の仲間にする方法がボタン連打になっていることが一番悔やまれます。

 これはメガテンとしてどうなんだ? と思いました。
 悪魔と会話をしてアイテムを要求したり仲間になってもらうなど、初めて敵を倒す以外で利用するというRPGのお約束をひっくり返したメガテンが、会話もせずボタン連打だけであっけなく仲間になってしまうのはどうなんだと。

 たしかに、こういうアクション形式で会話をさせるのは少し無理があるかもしれませんが、もう少しなんとかならなかったんですかねえ・・・。
 これだとあまりに簡単に仲魔にできるので、悪魔=道具という扱いになってしまう恐れがあるんです。

 悪魔とはいえ、主人公と苦楽を供にするかもしれない存在。
 そんな存在が道具同然の扱いになってしまうのも如何なものかと思いつつも、結局ボタン連打して仲魔にしまくってました。





 総合的に見ると、よくできたアドベンチャーかな、と。
 RPGとしてはちと手痛い感じがするので、ストーリーはあまり追求せず、あくまで探偵ごっこを楽しむ程度に世界観を堪能したほうがいいかもしれませんね。

 どうでもいいですけど、シリーズ常連だった妖精ピクシーがいませんでした。
 まあ、悪魔の大半が世界観に合うようにアジア系出身ばかりっていうのもあるかもしれませんが。

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